木工家 松本寛治

彼は、かつてマツダ社の設計デザイン部門にいた。当時はまだ、東洋工業と名のっていた時代で、そのサッカーチームでも活躍していたひとりだ。地域の子ども達の良きサッカー指導者としてホイッスルを鳴らしていることもある。
デザインの勉強をするために、武蔵野美術大学の通信教育を受講したかれは、その時に出会った木工の世界にどっぷりとのめり込むことになったのです。
そんな環境から、全く畑の違う世界に飛び込んだのだから、彼の木工作家としてのスタートは独学による孤独なものであった。しかし、それが良かったのだろう。有名な作家の作風に影響されることもなく、彼の作る家具は、透明で美しい独自の感性をもっている。繊細で無骨さのない、ある種、緊張感の漂う家具は私の好みにあっている。デザインの勉強をするために、武蔵野美術大学の通信教育を受講したかれは、その時に出会った木工の世界にどっぷりとのめり込むことになったのです。

彼との数ヶ月にわたるやり取りの末、やっと完成したのが「石亭チェアー」。
上質のレザーは、セルシオに使われるもの。太陽に一日中さらされても、傷みのこない柔らかい皮。座は車のシートを思わせる坐り心地の良い縫い込みが施されている。和にも洋にもあう、そして潔いデザイン。石亭の書斎に置かれた四分の一円テーブル、母屋に二階の窓辺に置かれる楕円を半分にしたよなテーブル、そしてラウンジにある茶釜のある大テーブルと丸太を四角くしてどんと置いたベンチ椅子、どれも石亭の歴史と共に作られてきました。